認知症義母との二人生活

介護を放棄した義弟夫婦に代わって、義母を見守ることになった50代男の話です。

三ヶ月

義母と二人で暮らすようになって昨日で三ヶ月たった。

最初の頃は結構気を使っていたが、最近は仕事も忙しいのでかなり手を抜いている。食事もあたたかいものを一品だけ作り、あとは出来合いのもの。ご飯は自分で大量に炊くので食事もなんとかなる。

夕飯の後、「先に寝てくださいねー」といって飲みに行くこともできるようになった。ただし言っても忘れてしまうのでホワイトボードに「飲みに行ってきますので先に寝てください」としっかり書いておかなければならない。(出かけるときこれがかなりプレッシャー(笑))それでも飲んでいると携帯に「お先に休ませていただきます」と3回くらい同じ電話がかかってくる。

しかしこういったことにも華麗にスルー出来るようになってきた。あまり気にしないし、心配しない。なるべく自分でできることは放っておく。実は義母さんのことは苦手である。昔から人間的にどうよ、とさえ思うときもある。だから深刻にならないし、要領よくやろうと思っているので実の親の介護より楽かもしれない。

心配しないので買い物にも行かせる。休日やデイから早く帰ってきた日には「義母さん、夕ご飯何かいいですか?食べたいものがあったら買ってきてくださいよ」といって2000円を渡す。すると一瞬申し訳なさそうにするのだが、楽しそうに出かけていく。私もその方が楽だ。

この間、病院にも一人で行かせてみた。ちゃんと診察を受けて薬をもらって帰ってくる。

お金の管理ができない。

料理ができない。

ごみが捨てられない。

薬の管理ができない。

だけである。いろいろ好きにしたらいい。

若いうちは「命あっての物種」だが、年寄りはいい具合に死ぬのが仕事。

「自由あっての物種」なのではないだろうか。