突然の話
私は嫁と3人の子供の5人家族。
嫁はケアマネージャーで昔からフルタイムで働いている。
子供はすでに大きくもうすぐ皆成人となる。
嫁には弟がおり、実家で義母と同居していたが3年前に46歳で42歳の嫁をもらう。
以降、嫁の実家は義弟夫婦と義母の3人暮らしである。
義弟の嫁は結婚に際して「お母さんの面倒は私が見ます」として仕事を辞め家に入った。義母は今年喜寿の77歳。少しボケてるがいたって健康と思っていたのだが。
9月も終わりに近づいたある日、義弟夫婦が話があるとやって来た。
「母の認知症がひどくなったので介護が大変、施設に入れることを前提にまずはショートステイで試しに泊まらせたい。施設の承諾書にサインが欲しい」
お盆に会った時には、ボケが進んだなとは思ったが体は元気で入浴や排泄などの心配は無さそうであった。また義母は要介護1で週3回ディサービスに通っている。1日中相手をしなくてもよいはずだ。そこで「まだ早いんじゃない?義母さんはなんて言ってるの?」「…大変なんです」と要領を得ない。ケアマネの嫁の判断もこのレベルで施設に入所するには早いというものだった。
働きもせず家でブラブラしている弟の嫁に「もう少し介護について勉強して、もう一度介護に向き合ってはどうか」と言ったところ「勉強してます!!」とらちがあかない。
とりあえずショートステイの件は了承して様子を見ることになった。
10月下旬になって嫁に義弟から、「義母を施設に入れるか、私たちが家を出る」と電話があった。嫁が実家に行き、義母の希望を聞くと「自分の家で静かに暮らしたい」とあたりまえの答えが返ってきた。それでも義弟夫婦は施設に入れるの一点張り、2年前に処分した土地の代金と年金で施設に入れると強行に主張したらしい。
帰った嫁から事情をきいて、仕方ない家族で同居するかと思ったら、次女の大学受験と長男の通学、嫁も「通えないし急には仕事がやめられない」。義母さんの認知症のことを考えると義母さんの家で誰かが同居するのがいいのだろう。
「あなたお母さんと一緒に暮らせない?週末は私が行くし」
「はあ??????」
「受験が落ちつくまでだから」
「ええ??????」
「ダメだったら、私の知識とコネでなんとかする。とりあえずお試しで」
子供が手を離れた後のライフスタイルのこと、嫁の実家と私の実家は近所で、一人暮らしをしている母のことが心配でもある。
「少し考えてみる」と嫁に言ったのが事件の幕開けであった。