認知症義母との二人生活

介護を放棄した義弟夫婦に代わって、義母を見守ることになった50代男の話です。

決断と誤算

義母との二人生活にあたって考えたことは3つだった。

・仕事は回せるのか?

今も客先や自宅で仕事をすることが多くなんとかなるだろう。3月には圏央道も開通し、都内への移動も車なら30分増で済む。最寄駅からはやはり3月に上野東京ラインが開通し、東京、新橋、品川へ乗り換え無しだ。池袋、新宿、渋谷へもそのままいける。面倒ならグリーン車を使えば良い。

・今の地元のコミュニティは?

現在の街に住んで20年、趣味や保育園・学童、飲み屋のコミュニティと離れてしまうのが惜しくもある。これは転勤と思い諦めよう。

・私に介護できるのか?

義母の状態にもよるが、家事全般は現在でもやっているのでできなくはない。しかし排泄や入浴の介助は無理だ。しかし入浴はデイサービスで済まして貰えばよい。

 

なんとなく義弟の行動に引っかかるものもあったが、できることはやろうとこの不思議な生活に踏み出す決断をした。

嫁から義弟にこちらで義母の面倒をみると伝えて一週間、義弟から12月6日に引っ越すと連絡があった。しかし義母に伝えると動揺するので当日まで伏せておくことにした。

 

義母の家は1.5世帯住宅である。玄関は1つ、風呂も1つだが2階にキッチンとトイレがあり義弟夫婦は2階に暮らしていた。義弟夫婦が引っ越した2階に入れ替わりに私が入るつもりでいた。12月6日になって嫁が「弟が2階を使わせないって言ってる」と言いだした。「2階に荷物を置いておきたい」

「はあああ!!!」

私はどこで仕事するんだ?どこで寝るんだ?????

嫁経由の情報では埒があかないので義弟に電話すると。

「荷物を残しておきたい。ピアノもあるし...」

「荷物を一つの部屋にまとめてもらって、ピアノは置いておいてかまわないよ」

「なんか家を取られてしまうような気がして...」

「家なんかいるか!それにお前が出て行くんだろう!」

「なんか信用できないなあ...」

くそーー、信用できないやつに実の母親を預けて出て行くのか!!

意地でもしっかり義母さんを介護してやる!

身内を敵に回したらどうなるか...徹底的にやろう!

そしてパパ友の弁護士に電話することにしたのだ。